= Student-t noise modeling = ---- == Project description == 重力波望遠鏡における雑音は扱いやすさからガウス性を仮定する事があるが、<
> 現実的にはガウス雑音に比べ、裾を持った非ガウスな分布となっている事が多い。<
> この非ガウスさがどの程度であるかを把握する事は望遠鏡の状態を知る上で非常に重要な要素であり、<
> 重力波探索に置いても非ガウスさ仮定する事でパフォーマンスが向上するという報告もなされている<
> 本研究の最も重要な目的は干渉計雑音の非ガウスさを定量化し、干渉計診断の1つの指標とすることである<
> この際、非ガウスさの指標にはStudent-t分布のパラメータ$\nu$を用い、<
> オンライン/オフライン問わずに非ガウスさを追えるモニタを実装し、<
> 望遠鏡の状態把握、重力波探索などに利用できる指標を提供する。<
> <
> <
> シミュレーション雑音を用いる事で非ガウス性の存在を統計的に抽出する閾値を調べた。<
> この閾値を用いる事によって実データ(iKAGRA LIGO S5, S6, O1)から非ガウス性の抽出に成功し、<
> (1) 数時間以上に渡り定常的に現れる非ガウス性<
> (2) 数10秒〜数100秒程度の時間スケールで現れる非ガウス性<
> の存在を確認した。 ---- == Project schedule and Task List == '''1. 非ガウスさ$\nu$推定ルーチンの実装''' * '''参考文献の再現''' (〜6/10)<
> * ''quantileを基準に最適な$\nu$を推定''<
> * ''$\nu$の探索範囲は[4:100] ($\nu$が大きいと解析パフォーマンス改善の恩恵は無い)''<
> * '''シミュレーション信号を用いたフィッティングテスト''' (〜6/17)<
> * $\nu$が既知の信号に対してモデリングを行う -> 高いquantileの方が$\nu$の再現がよい(定常乱数の場合) * '''参考文献の改善 or 新たな方法の考案''' (〜7/7)<
> * $\nu$の決定精度はどの程度必要か<
> * dT, dFをどのように決めるか<
> * どのquantileを基準とするか<
> * quantile以外の基準の検討 -> 分布全体でフィッティング(最小二乗法)<
><
> ''' 2. リアルタイムノイズモデリング''' * '''実データを用いた準リアルタイムモデリングのテスト''' (〜7/14)<
> * /frames以下のデータでテスト -> 16kHzサンプリング128秒のデータを10秒程度で処理できている<
> * CLIO, TAMAデータを用いる<
> * シェルスクリプト等でT秒おきにファイルを食わせて走らせる<
> * '''計算コストの見積もり、削減によりリアルタイム化''' (〜7/21)<
> * 計算の大半がSFTとソートorヒストグラム化(Vectorで高速化?)<
> * プログラム全体としてはIO, 画面描画が遅い?<
><
> ''' 3. DetCharシステムに組み込み''' * '''HasKAL GUIから動かす''' (〜7/22)<
> ---- == Analysis method == 1. 時系列雑音をTF平面に変換:SFT 2. 各周波数ビンごとにヒストグラム化:Cern ROOT 3. ヒストグラムのフィッティング:最小二乗法(GSL), CDFのquantile, 最尤法 -> 非定常イベントへの頑健性を考慮しquantileを採用 ---- == Results == * シミュレーション信号で与えた$nu$付近が求まる事を確認 [[attachment:sim.png]] * CLIOデータでファイルIOからプロットまでの動作を確認 [[attachment:C_1034554496.png]] * LIGOデータでいくつかのチャンネルデータをプロット * シミュレーションにより統計的に非ガウス性の存在を主張出来る閾値を決めた -> (発表論文等[1]) * LIGO Open data, iKAGRAデータから非ガウス性を抽出 -> (発表論文等[1,2]) * 定常的な非ガウス性(~100Hz) * 数10〜数100秒スケールで現れる非ガウス性(100〜kHz) ---- == Ploblem == 1. 計算高速化の目処が立たない * 16kHzの主干渉信号に対して、リアルタイム処理が実現できない(Overlapにもよる) * 低サンプリングのチャンネルだと間に合う(〜1kHz) -> Unboxな型を用いる事で解決。4kHzサンプリング、4096秒のデータが40秒弱で処理できる<
> -> シミュレーションデータでは約70年のデータを30時間程度で処理出来た<
> -> 実データだとディスクアクセスの時間が大きくなるが24時間データが5分程度で処理出来る 2. メモリの圧迫 * 1000秒データの解析に十数GBのメモリが必要(遅延評価が原因) * 正格評価に出来れば数MBで済むはず -> Unbox化後、swapは無くなり、メモリ使用量もGBを超えない所までは落ちた。 ---- == Presentation == (2015/03/22) 山本尚弘 他, 「重力波検出器雑音の非ガウス・非定常性雑音成分のキャラクタリゼーション」, 日本物理学会 第70回年次大会, 早稲田大学, 2015年3月<
> (2015/01/10) T.Yamamoto, "Noise characterization of non-gaussianity and non-stationarity for the gravitational wave detector" A04/05 Joint Camp, Niigata, Jan. 2015 <
> (2014/12/20) T.Yamamoto, et al., "[[attachment:2014_7thKoreaJapan_Yamamoto.pdf|Development of Non-Gaussian Noise Characterization System]]" , 7th Japan-Korea Workshop on KAGRA, Toyama Univ., Dec. 2014 <
> (2014/09/20) 山本尚弘 他,「[[attachment:2014_autumnJPS_DC_Yamamoto.pdf|KAGRA Detector Characterization: リアルタイム非ガウス性雑音モデリングシステムの開発]]」, 日本物理学会 2014年秋期大会, 佐賀大学, 2014年9月<
> ---- == Document == * 発表論文等 * [1] T. Yamamoto, ''et al''., Phys. Rev. D '''93''', 082005 (2016) [[http://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=4807|JGW-P1604807]] * [2] T. Yamamoto, Ph.D. Thesis (2016) [[http://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=5355|JGW-P1605355]] * Reference * [1] C. Rover, LIGO-T1100497 (2011) * [2] C. Rover, Phys. Rev. D '''84''', 122004 (2011) * [3] C. Rover, ''et al.'', Class. Quantum Grav. '''28''', 015010 (2011) ----