鍛治 毅
2017/11/06
KAGRAのGPS受信機から生成されるGPS時刻がどの程度世界共通の時刻と合っているかを調べる。
=> KAGRAの時刻決定精度を調べ、LIGO、VIRGOとの同時観測により重力波の到来方向決定精度がどの程度であるか評価する。
Timing系
GPSアンテナ(左図)とコモンビューを自動で実行するNTPサーバー(右図)。
得られるデータの例(左図)と、その読み方(右図)。 NICTでも同様のデータを生成、アップロードしているので、このREFGPSの同じ時間、同じ衛星のものを差分を取り、仰角で加重平均をとり、差分データを作成する。
理由は分からないが、+方向に外れ値(のように見える点)が増える。外れるのはたまたまであるかもしれないが、アンテナを出せていないことは事実なので、実際の最終状態である屋根の上に立てるというものの評価とはかけ離れていると思うので、除いてもいいだろう。
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15秒データのGPS位置情報をプロット、衛星の動きが分かる。 また、北部会館側があまり見えていないのが分かる。いずれNTPサーバー用のアンテナも屋根の上に立てる予定なので、重み付きとはいえ平均値なので、分散が小さくなり、時刻決定精度も向上すると思われる。
オフセットにも誤差は乗るものの、おおよそ±100ns程度で時刻を決定できることが分かった。 LIGOやVIRGOが時刻精度をどのように見積もっているのか分からないが、同様のシステムにより~±100nsで決定できると思われるので、これから各検出器で重力波を検出した時の到来方向決定精度を考えていく。
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各検出器の位置関係
各Fanoutからの信号を運んでくる光ファイバーをSlaveに入れてそれぞれのパターンで測定。
Master vs. Fanout(Center):左図 Fanout(Center) vs. Fanout(X方向3km先)
Masterの空きポート(固定)で、2m、3m、5m、10m、150mの光ファイバーケーブルのそれぞれの組み合わせで時間差を測定する。測定内容はほとんど先の測定と同じである。
ほぼ等しい。
2m(左上)と5m(左下)に注目。
2m(左上)と5m(左下)に注目。
2m vs. 5m(左)に注目。ここまでの図からも、2mと5mで似たような結果になることが分かる。 => 補正のためのFanoutのクロックが3mに相当する周期で効いているような気がする。 スペックが~5ns/mと思うと、記述通り67MHzでクロックが動いていることになる。 つまり、光ファイバーの長さが分からずとも、1モジュールごとに最大~15nsの遅延があるということになる。
~5nsなので、5ns/mも確認が取れる。 前ページの3m vs. 5mを見ても、~10nsの差なので、そこそこ確からしい。
以前(7月)、こういうものがあった。
このport毎の遅延時間の大幅なズレは、~15nsとなっており、補正の限界値にかなり近く、先ほどの測定からport毎に3m程度ケーブル差があるような振る舞いをしている。これはおかしいので、masterの空きport全てで同じ長さ(10m)のケーブルに対して遅延測定を再び行った。
por依存は若干あるものの、~15nsとはならない。
=> ケーブル長が3mの時は僅かな誤差で補正するときとしない時に分かれ、~15nsの差が出てしまったのだろう。
=> やはり~3mで補正1周期となっている。また、port差は多少はあるだろう。
FanoutやSlaveを1つ挟むごとに最大~15nsズレることがわかった(?)ので、これから理論波形がどれくらい制御ロスするかなどを考えたい。