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== <span style="color:RED"> (1) Cryostatブース(IEXYC)の場合</span> == == <span style="color:red"> (1) Cryostatブース(IEXYC)の場合</span> ==

KAGRAクリーンルーム内作業指南

クリーンルームの作業において大事な点は二つあり、「最大の発塵源は人間である」と、「風の流れを常に把握する」で、これを常に意識しながら、汚したくない物に対する汚しにくい作業者の位置取りが大事になります。これだけは各作業者の努力にかかっていますので、お願いいたします。

クリーンスーツの下は、原則、支給される低発塵性下着を着用すること。低発塵性下着は、一人二着分支給され、その洗濯は、個人の責任で行うこと。返却の必要はありません。


<span style="color:red"> (1) Cryostatブース(IEXYC)の場合</span>

IEXYCのクリーンルームは3カ所に分かれており、それぞれの場所の名前とFFUと空気の流れは以下の通りです。

(a) 1階Cryostat室:KOACH 12台、その両サイドにULPA-FFU 10台。

KOACHのスイッチは、それぞれのKOACHの背面にあり、どれを押しても12個全部がON/OFFします。ULPAスイッチは、ULPA-FFUと同じ面の集合スイッチとしてあります。

清浄空気は、KOACHからISO Class1の平行流(240 m3 /min)、ULPAからは各列ISO Class4程度の拡散流(100 m3 /min)が逆側に向かって流れます。クライオスタットにあたるまでは平行流が維持され、逆側は、乱れていると思いますが、風圧が大きいため、逆側の壁シートにぶつかった風は、両サイドに分かれて外に向かって吹き出しています。よって汚れもこの流れに乗って流れていくと思われます。

(b) 階段前室:ULPA-FFU 6台。ULPAスイッチは、エンド側に集合スイッチとして設置。

天井から120 m3/min の拡散流で内圧を高めていますが、1F部分の一部は(a)から外へ向けての風圧が支配的です。

(c) 2階十字管室:ULPA-FFU 8台。ULPAスイッチは、エンド側で(b)と一体。

天井から160 m3/min の拡散流で内圧を高め、2F部のデッキと(b)階段部にも流れ込みます。

すべて運転されていることを確認してください。運転状況確認は、KOACHの場合は、背面の青ランプ、ULPAの場合は、スイッチの点灯とFFU下のオレンジのランプです。風の流れは、(a)(c)で直接外に出て行く部分以外は、(b)の内圧が一番弱いので、(a1F)→(b1F)→外、(c2F)→(b1F)→外の流れが期待されます。

(i)入室準備

入室準備室が、(a)の下流側のサイドに着替え室が用意されているので(未準備)、原則ココのみから内部に侵入すること。 入室準備室は、3ゾーンに分かれており、(ア)荷物・衣服保管エリア、(イ)着替えエリア、(ウ)ブラスター等洗浄エリアです。

(ア)にハンガーや棚があるので、ここに、そとからの荷物や着替え後の衣服を保管すること。(イ)着替えエリアは不透明なシートで覆われた、空間になっているので、ここで、クリーンスーツに着替えること。ここでは、インナー手袋はつけてもいいが、クリーンニトリル手袋はつけないこと。(ウ)にクリーン手袋が保管されているので、ここからとって着用すること。着用後、クリーンな空気の出るブラスターがあるので、ブラスターの空気流が、下流に向かうように、体を回転させながら全身をまんべんなく吹き、ダストを吹き飛ばす作業をすること。

(ii)Cryostat 内作業の留意点

Cryostat内作業は、原則、両サイドの蓋をあけ、ISO Class1の空気が抜ける形で行うのが望ましい。それは、人からの発塵が、Cryostat内部で滞留するからである。難しい場合は、精密空調などで内部から外部への空気の流れを作っておくこと。

Cryostat内作業開始前に、Cryostat内側面や底面にダストが滞留していないか確認すること。あった場合は、ふき取るか、ふき取りでは厳しいくらい広範囲に散乱している場合は、輻射シールド側のどこかのポートを開放し(決めてください)、そこから吸引ファンで空気を吸いながら、ブラスターで、その吸引ポートに向けて吹き飛ばし作業を行うこと。吸引ファンの空気は、クリーンブース外に誘導すること。この時、侵入開口部は、シートなど少し隙間が残る程度に多い、内部の確実な空気の流れを確保すること。


(2) IEXYAブースの場合

IEXYAのFFUは、通路側に10台のULPA-FFU (200 m3/min)が垂直配置されており、ULPA-FFUのスイッチは、ULPA-FFUが据え付けられている壁構造体の背面端部にあります。よって、空気の流れは、その壁面から、相対する壁に向かってが期待されますが、拡散流なのできれいな流れは期待できません。床は、作業前にステンレス板が敷き詰めてありますので、作業前は、クリーンモップ等で清掃してください。

(i)入室準備

前室に相当するものがありませんので、可能な限り、真空タンクの側面蓋が閉じられていることを確認の上、真空タンクにかぶらない領域に設置されたすのこの上で、クリーン服への着替えをしてください。衣服は、クリーンブースの外にあるハンガーにかけてください。再利用するクリーンスーツは、クリーンルーム内のハンガーにかけてください。埃を飛ばすブラスターもありませんので、現状クリーンスーツを着たら、コロコロで体を清掃してください。女性は、クリーンルーム外直近に簡易着替えテントを設置し、そこで着替えていただいて、クリーンルームに入ってください。

(ii)真空タンク内作業の留意点

IEXYA真空タンク内作業は、原則、両サイドの蓋をあけ、ULPA生成空気が抜ける形で行うのが望ましい。 IEXYA真空タンク内作業開始前に、IEXYA真空タンク内側面や底面にダストが滞留していないか確認すること。あった場合は、ふき取るか、ふき取りでは厳しいくらい広範囲に散乱している場合は、どこかのポートを開放し(決めてください)、そこから吸引ファンで空気を吸いながら、ブラスターで、その吸引ポートに向けて吹き飛ばし作業を行うこと。吸引ファンの空気は、クリーンブース外に誘導すること。


(3) PR、BSブースの場合

PRエリアのクリーンルームはULPA-FFU群的に5カ所に分かれており、それぞれの場所の名前とFFUと空気の流れは以下の通りです。

(PR-MCF) MCFエリア:16台(320 m3 /min 拡散流) スイッチは、MCFタンクのMCE側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(PR-MMT) MMTエリア:12台(240 m3 /min 拡散流) スイッチは、MMTタンクのMCE側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(PR-PR) PRMエリア:12台(240 m3 /min 拡散流) スイッチは、PRMタンクのMCE側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(PR-PR3) PR3エリア:16台(320 m3 /min 拡散流) スイッチは、PR3タンクのMCE側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(PR-Pre) 着替え・保管前室:2台(40 m3 /min 拡散流)) 常時運転です。スイッチは無く、コンセント直差しです。床テープで、すのこのある着替え領域とクリーン領域が示されているので守ること。 PR3エリアからの清浄空気が流れ込むようにもなっているので、クリーン領域が、PR3エリアに近い側、遠い側(入り口)が着替えエリアになります。

BSエリアのクリーンルームはULPA-FFU群的に3カ所に分かれており、それぞれの場所の名前とFFUと空気の流れは以下の通りです。

(BS-PR2) MMTエリア:20台(400 m3 /min 拡散流) スイッチは、PR2タンクのIYC側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(BS-BS) PRMエリア:20台(400 m3 /min 拡散流) スイッチは、BSタンクのIYC側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(BS-SR2) SR2エリア:16台(320 m3 /min 拡散流) スイッチは、SR2タンクのSR3側(ブース外)にあります。全体一括強制駆動スイッチと個別スイッチがあります。

(BS-Pre) 着替え・保管前室:1台(10 m3 /min 拡散流)とエアシャワー) 常時運転です。スイッチは無く、コンセント直差しです。エアシャワー手前でクリーンスーツに着替え、エアーシャワーを通過して、SR2領域から中に入ります。

(i)入室準備

(PR-Pre)の着替え領域に、ハンガー、クリーン手袋、インナー手袋、モップ材があり、ここで、クリーンスーツに着替えること。クリーン対応ヘルメットが必要な場合は、着用すること。 同じ領域に、ブース内清掃用モップ、及び、そのモップ布材(湿式と乾式両方)、湿式布材を濡らす浄水霧吹き、クリーン対応低発塵ふき取り布もある。

(BS-Pre)の着替え領域に、ハンガー、クリーン手袋、インナー手袋、モップ材があり、ここで、クリーンスーツに着替えること。クリーン対応ヘルメットが必要な場合は、着用すること。 同じ領域に、ブース内清掃用モップ、及び、そのモップ布材(湿式と乾式両方)、湿式布材を濡らす浄水霧吹き、クリーン対応低発塵ふき取り布もある。

(ii)PRエリア 内作業の留意点

一階部は、天井高さが2mしかなく、かつ「ブレス」という補助鋼材が1.9mくらいの位置にあるので、少しでも、お立ち台等にのっての作業をする際は、頭をぶつけないように気を付けること。 その危険性がある場合は、クリーン対応ヘルメットを着用すること。

真空タンク内作業開始前に、側面や底面にダストが滞留していないか、LED照明などで照らしてみて確認すること。あった場合は、ふき取るか、底部でふき取りでは厳しいくらい広範囲に散乱している場合は、クリーン対応掃除機で吸い取ること。掃除機の吸入ダクトは、清掃してからタンク内に挿入すること。クリーン対応低発塵ふき取り布は、(e)の領域に保管されている。

真空タンク内で光学機器、特に鏡の設置作業を行う場合は、MCF以外は、なるべく、両サイドを開放し、移動式KOACH(ISO Class 1 FFUで平行流)の空気を、片方の開放部から流入させ、可能なら、空気の流れの下流となる逆開放部から作業をするのが望ましい。

開放部両側からアクセスしたい場合は、片方の開放部で、2台の移動式KOACHの噴出し側を対面させ、衝突流の片方が、真空タンクに入っていくようにすること。

(iii)PRエリア クレーン作業

真空タンクの上ふたを開放するには、天井クレーンを使用する必要がある。クレーンのリモコンは、クリーンブース内に1個、外に1個あるので、それおぞれの場所にあわせて、それぞれを使用すること。クリーン対応ヘルメットを着用すること。

クレーンのフックをブース内に導入するには、天井の3連の開放ハッチの必要部位を空ける必要がある。開放ハッチには、専用の棒で下から押し上げ引き下げできるフックがついているので、それに引っ掛けて行うこと。ハッチは、ダンパーヒンジでその開閉の動きが緩和されるようになっているので急激な開閉は防止されている。VISグループにより、ブース内専用クリーン対応手動ホイストも用意されているので、クレーンフックにそれをさらに追加し、クリーンかつ微動を必要とされる作業に利用することができる。

ブース外部から、クレーンを使用し、内部に物資を導入する場合、3連ハッチの両側の短いフレーム材が外れるようになっているので、それをはずす必要がある。同時に、その部位についている帯電防止シートも取れてしまうので、作業後は、迅速に元に戻すこと。

二階の床材は500kg/m^2 の耐荷重性能があるので、留意すること。

クレーン操作で、大きな塵埃が上から落ちてくることがあるので、クレーンの懸架物への汚染を避ける場合は、クリーンバッグによる養生が望ましい。

KAGRA/cleantaskinstruction (last edited 2017-08-10 16:05:37 by miyoki)