サスペンション熱雑音と温度最適化
この議論は、以下のようにして始まった。
第2回帯域検討SWGで、私(宗宮)がバイオリンモードによる感度劣化を指摘。
この時点でBRSEで10%、DRSEで20%のSN低下という計算結果になった。
2週間後、山元さんが、私の使っている式に含まれる近似が問題であることを
指摘。それに基づいて新しく計算すると感度は元から数%悪化する程度である
ことが分かった。
しかし、それでもまだバイオリンモードのせいでサスペンション熱雑音が
感度を部分的に制限していることが分かった(下図:左がBRSE、右がDRSE)。
現時点では1.8mmのファイバーを鏡片側ごと2本吊りする予定である。
BRSE、DRSEともにもう少し細いと感度がよくなることが分かる。
冷却能力
LCGTの下段マスはファイバー経由で冷却されるので、ファイバー径が太く
ないと冷却能力が落ちてしまう。径が1.8mmで長さが40cm、上段が10Kだと
すると1Wの冷却能力をもっている。バルクの吸収が片道20ppm/cmとして、
コーティングの吸収が0.1ppmだとすると、フィネスが1550のとき合計700ppm
の吸収が生じる。各腕への入射パワーが400W強だから、およそ0.3Wという
ことで、安全ファクターが3である。コーティングの吸収が1ppmならばおよそ
0.7Wになる。
鈴木さんによると(データ参照)、ファイバーの熱伝導率
は2.5mm程度より細くなると落ちていくことが分かっている。