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その後の調査で,differentialの信号をBNCで入れても発振することがわかった.I/Q demodulatorのI/Q outをBNCの芯線を+signal,BNCのGND側を-signalにして入力した場合にも発振した.一方,I monの その後の調査で,differentialの信号をBNCで入れても発振することがわかった.I/Q demodulatorのI/Q outをBNCの芯線を+signal,BNCのGND側を-signalにして入力した場合にも発振した.一方,single endで入れるにしても[[http://gwclio.icrr.u-tokyo.ac.jp/lcgtsubgroup/electronics/Oscillation%20when%20connecting%20cables%20to%20CM%20Servo%20Input%28in1%2Cin2%29.pdf|霜出さんのレポート]]のようにBNCのGND側がちゃんと回路のGNDに落ちていてシールドの機能を果たしていれば発振しない.
Common Mode Servo同士の接続も確認した.ServoのSLOW OUT/FAST OUTのどちらでも,OUTを別のサーボのIN1/IN2に繋ぐと発振する.

(2024/05/31追記)
=== 対策 ===
回路室でのテストにより、フェライトコアをケーブルに巻くと28 MHzの発振が止まることが分かった。
 * 5/29 [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29677|klog 29677]]: Gr PDHやPLL、CARMやSumming nodeのケーブル周りにフェライトコアを実装した。ループアンテナで測定し、28 MHzの発振が止まっていることを確認した。
 * 5/30 [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29700|klog 29700]]: 28 MHzピークは消えたが、他にも多くのピークが観測されている。RFサイドバンドを生成するための発振器が原因かもしれないと考え、オフにして測定した。干渉計LSCで用いるサイドバンドを生成する5.6 MHzをオフにすると、最も目立っていた50 MHzピークとその他いくつかの小さなピークが消えた。これはf1の3倍波に相当する。17 MHz (f1)と90 MHz (f2の2倍波)も消えることを期待したが消えなかったため、原因は別にある。そもそもCMSから離れたところでもループアンテナは信号を拾ってしまうので、回路由来ではない可能性がある。干渉計制御のためにはこの発振器をオフにはできないため、対策を考える必要がある。
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 * [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29568|klog 29568]]: ループアンテナでサーボの出力周辺を測定.Gr PDH X/Yのどちらも50MHzの信号がある
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  * 出力の端子がSMAなので,おそらくsingle endだと思われる.そうするとPLL X/Yのサーボは発振する.   * 出力の端子がSMAなので,おそらくsingle endだと思われる.そうするとPLL X/Yのサーボは発振する.→ PLL Xは28MHzで発振,PLL Yは見当たらない?
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  * PFD → PLL Xは1mのBNC,PFD → PLL Yは2m以上のBNC.
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 * [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29568|klog 29568]]: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.PLLXで28MHzのピークを確認.
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  * ALS1 rackにインストールされている.
  * 直前の回路はLSC0 rackのGr PDH X/Yであり,各サーボのSLOW OUTがsingle endでSumming nodeの入力にBNCで入っている.
==== LIGOの状態 ====
  * LIGOではALS CARMは電気ではなく光で和をとっているの状況が大きく異なる.
  * LIGOにも「Summing Node」という名前の回路があり,CARMのCommon Mode Servoの直前に入っているが,中身は一般のCommon Mode Servoとは異なりBoosterなどを外した構成になっている.
  * LIGOのSumming Nodeは2chある.入力はI/Q demodulatorから2つ,Frequency Discriminatorから1つ,デジタルのDACから1つの計4つで,全てdifferential endになっている.
==== 対策 ====
  * TBD
 * ALS1 rackにインストールされている.
 * 直前の回路はLSC0 rackのGr PDH X/Yであり,各サーボのSLOW OUTがsingle endでSumming nodeの入力にBNCで入っている.
 * 28MHzの発振は確認できず,50MHzの大きなピークを発見.
==== LIGOの状態 ====
 * LIGOではALS CARMは電気ではなく光で和をとっているの状況が大きく異なる.
 * LIGOにも「Summing Node」という名前の回路があり,CARMのCommon Mode Servoの直前に入っているが,中身は一般のCommon Mode Servoとは異なりBoosterなどを外した構成になっている.
 * LIGOのSumming Nodeは2chある.入力はI/Q demodulatorから2つ,Frequency Discriminatorから1つ,デジタルのDACから1つの計4つで,全てdifferential endになっている.
==== 対策 ====
 * TBD
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 * [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29568|klog 29568]]: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHzのピークはなく,50MHzに大きなピークがある.
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  * 28MHzに発振を確認
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 * [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29568|klog 29568]]: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHzのピークを確認.
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  * ALS0 rackにインストールされている.
  * 直前の回路はPSL room内のThorlabsのPDで,single endの信号がBNC出力になっている.
  * 回路は発振していない.考えられる理由としては,ThorlabsのPDはAC電源で動くためGNDレベルはACラインからきており,入力信号のGNDがサーボのGND(±18Vの中点)とずれていることがあげられる.今後調査するべき.
 * ALS0 rackにインストールされている.
 * 直前の回路はPSL room内のThorlabsのPDで,single endの信号がBNC出力になっている.
 * 回路は発振していない.考えられる理由としては,ThorlabsのPDはAC電源で動くためGNDレベルはACラインからきており,入力信号のGNDがサーボのGND(±18Vの中点)とずれていることがあげられる.--(今後調査するべき.)--した
 * IN1/IN2のGNDと回路のGNDが絶縁されている(>1MΩ)ので発振しない.
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  * 発振していないなら特に必要ない?   * 発振していないなら特に必要ない--(?)--
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 * [[https://klog.icrr.u-tokyo.ac.jp/osl/?r=29568|klog 29568]]: IN1/IN2とOUT2のGND間の抵抗を測定.1MΩ以上の抵抗値なので絶縁されていることを確認.
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== 回路室での再現試験 ==
=== 発振の再現 ===
[[https://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=5813|Common Mode Servo (Gr PDH ver.3、坑内から持ち帰った筐体)]]の上方5 cmぐらいの位置に[[https://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=9171|Dual I&Q Demodulator]]を設置、2台とも同一のDC電源から電源供給(ケーブル長~1 m)、demodulatorのI-MonとservoのIN1を1 mのBNCケーブル(+ BNC-TNCアダプタ)でつないで電源を入れ、''''''Moku:Lab''''''につないだ霜出さん作製のループアンテナをservoのinput付近やBNCケーブルに当てたたところ、~30 MHzぐらいの発振が見えた。
 * 電源ケーブルを動かすと発振周波数や振幅が変わる。
 * I&Q Demodulatorの電源を切っても発振は止まらない。(電源を切っても電源GNDはつながったまま。)
  * ServoのIN1につないだBNCケーブルの反対側端子のshellがdemodulatorのBNC端子のshellに触れるだけで発振は起きる。
   * Servo自身のchassis(10 Ωと100 nFを介して基板GNDに接続)やミミに接触しても発振。
 * 50 cmのケーブルにすると発振は見えない。
 * ケーブル長を1.5 mにする(1 mと50 cmを中継アダプタで接続する)と周波数は下がる。
 * I&Q Demodulatorの電源ケーブルを長くする(数mの電源ケーブルを継ぎ足す)と発振は見えなくなる。
 * I&Q Demodulatorの代わりに[[https://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=3859|別のCommon Mode Servo(MZI用、Gain Stageのoffset調整試験のため改造済)]]を設置し、Out2/Slow/FastのTNC端子とIN1/2を接続しても発振状況は変わらず。

=== 同軸ケーブルでのDifferential信号入力 ===
上記のセットアップでI&Q Demodulatorリアパネルの"I & Q Outputs Ch 1&2"のDsub 9ピンコネクタに[[https://www.phoenixcontact.com/ja-jp/products/interface-module-flkm-d-9-sub-b-2281186|Dsubブレイクアウトコネクタ]]を付けて1-6ピンを[[https://www.uxcell.com/cat5-bnc-female-connector-screw-way-free-solder-for-video-transmission-3pcs-p-1439167.html|BNCブレイクアウトコネクタ]]の芯線とシールドにそれぞれ接続、1 m BNCケーブルでCommon Mode ServoのIN1に接続してみたが、同様に発振した。
 * ブレイクアウトコネクタの代わりに[[https://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/private/DocDB/ShowDocument?docid=14149|ADC用BNC-Dsub Converter]]を用いて、
  . demodulator [I&Q Outputs Ch1&2] <= Dsub 9-pin cable (50&nbsp;cm/1&nbsp;m) => [to ADC Ch1-4] Dsub-BNC Converter [Single Inputs Ch1] <= BNC cable (1&nbsp;m) => [IN1] servo
 . のようにつないだが、同様に発振した。
  * Dsub 9-pin cableを10&nbsp;mの物に取り換えると発振は見えなくなった。

=== シールド付多芯ケーブルでの接続 ===
2芯ケーブルは無かったが3芯のシールド付ケーブルがあったので、上記のDsubブレイクアウトコネクタを使ってI&Q Demodulatorの"I&Q Outputs Ch1&2"の1-6ピンを2芯に、残りの1芯とシールドをGNDに接続し、反対側はBNCブレイクアウトコネクタを用いてCommon Mode ServoのIN1の芯線とshellにdemodulatorの1-6ピン、残りの線とシールドはOUT2 TNC端子のshell (servoのGND)に接続したところ、発振は見えなかった。
 * 同様にBNCブレイクアウトコネクタで2台のCommon Mode ServoのSlow出力のTNC端子の芯線とshellを3芯のうち2本に、残りをSlow出力のlemo端子のshell (基板GNDと10&nbsp;&Omega;/100&nbsp;nFで接続)につなぎ、反対側をもう1台のservoのIN2入力のTNC端子とlemo端子に同様に接続したところ、発振は見えなかった。

=== フェライトコア(クランプフィルター)の取付 ===
ケーブルに高周波のノイズが乗っているなら、と以下3種類のフェライトコアのクランプフィルターを購入してBNCケーブルに付けてみた。
 * [[https://product.tdk.com/ja/search/emc/emc/clamp/info?part_no=ZCAT2032-0930|ZCAT2032-0930 (TDK)]]
 * [[https://product.tdk.com/ja/search/emc/emc/clamp/info?part_no=ZCAT1518-0730|ZCAT1518-0730 (TDK)]]
 * [[https://denka-e.co.jp/collections/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%A2%E7%AD%89/products/128|DC-2810N (デンカエレクトロン)]]
BNCケーブル(1&nbsp;m)にフェライトコアを装着することで30&nbsp;MHz付近の発振は見られなくなった。

==== 参考 ====
 * [[http://gwclio.icrr.u-tokyo.ac.jp/lcgtsubgroup/electronics/2024/05/cm-servo-input.html|霜出さんによる考察]]

Common Mode Servo Oscillation Issue

Common Mode Servoが発振している問題のまとめページ.

概要

2024/05の一連の測定から,Common Mode Servoの半分以上がMHzで発振していることがわかった.この問題への対処のため,測定結果・原因・対策などを以下にまとめる.

背景

  • 2024/05/09の測定により,Gr PDH Y のサーボ(S1605813)から28MHzの信号が出ていることがわかった.

  • 回路を持ち帰って調べたところ,同様の現象が再現できた.
  • 2024/05/10の測定の測定から,Gr PDH Y の入力にIQ demodulatorの出力が繋がっていると出ることがわかった.ケーブルを疑いBNCを交換(1m → 2m)すると28MHzでのピークは消えた.

  • その後の持ち帰った回路試験により,悪いのはケーブルではなくサーボ自身であることがわかった.サーボの入力段のdifferential driverが発振しやすいAD829を使っているため,入力の一方がサーボのGNDに落ちているとそこで発振する

  • 2024/05/14の測定により,交換したGr PDH Yも発振しており,ケーブルの長さを変えたことで周波数がずれた(28MHz→19MHz)だけであったことがわかった.

    • 坑内にインストールされた9台のサーボについて発振を調べたところ,9台中6台(Gr PDHX/Y, PLL X/Y, Summing node, CARM)が発振していることがわかった.

原因

詳細は霜出さんのレポートを参照.

発振の原因は,Common Mode Servoの初段のdifferential driverにある.帯域を広く取るためにAD829というオペアンプを使用しているが,このオペアンプは完全補償型ではなく発振しやすい.このため,differential driverの入力の一端がGNDに落ちていると発振してしまう.

KAGRAのCommon Mode Servoは基本的にはLIGOのデザインと大きな変更はないため,状況はLIGOにおいても同じはずである.しかし,LIGOでは(一部を除いて)Common Mode Servoの入力はdifferentialになっているためにこの問題は回避できていると思われる.一方,KAGRAではほとんどのCommon Mode Servoの入力がsingle endになっているため,入力の負極側がGNDに落ちている.入力信号のGNDとサーボのGNDがずれているならばおそらくこの問題は回避できるが,現状多くの回路はGNDが共通しているため,結果9台中6台(FIB X/YとIMC以外)が発振してしまっている.

(2024/05/16追記) その後の調査で,differentialの信号をBNCで入れても発振することがわかった.I/Q demodulatorのI/Q outをBNCの芯線を+signal,BNCのGND側を-signalにして入力した場合にも発振した.一方,single endで入れるにしても霜出さんのレポートのようにBNCのGND側がちゃんと回路のGNDに落ちていてシールドの機能を果たしていれば発振しない. Common Mode Servo同士の接続も確認した.ServoのSLOW OUT/FAST OUTのどちらでも,OUTを別のサーボのIN1/IN2に繋ぐと発振する.

(2024/05/31追記)

対策

回路室でのテストにより、フェライトコアをケーブルに巻くと28 MHzの発振が止まることが分かった。

  • 5/29 klog 29677: Gr PDHやPLL、CARMやSumming nodeのケーブル周りにフェライトコアを実装した。ループアンテナで測定し、28 MHzの発振が止まっていることを確認した。

  • 5/30 klog 29700: 28 MHzピークは消えたが、他にも多くのピークが観測されている。RFサイドバンドを生成するための発振器が原因かもしれないと考え、オフにして測定した。干渉計LSCで用いるサイドバンドを生成する5.6 MHzをオフにすると、最も目立っていた50 MHzピークとその他いくつかの小さなピークが消えた。これはf1の3倍波に相当する。17 MHz (f1)と90 MHz (f2の2倍波)も消えることを期待したが消えなかったため、原因は別にある。そもそもCMSから離れたところでもループアンテナは信号を拾ってしまうので、回路由来ではない可能性がある。干渉計制御のためにはこの発振器をオフにはできないため、対策を考える必要がある。

各ボード詳細

Common Board Servo Board List

Gr PDH X/Y

現状

  • どちらもLSC0 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はI/Q demodulatorであり,Front panelのImonをサーボに入力している.この入力はsingle endなので,発振する.
  • I/Q demodulatorにはdifferential endの信号もあり,Rear panelのDsub9ピンから出ている.現状この出力はAA chassisに繋がってデジタルに流れている.

LIGOの状態

  • LIGOではI/Q demodulatorの中身の構成がKAGRAと異なる.メインのdemodulator boardの後にBreakout boardがあり,そこでTNC出力でdifferential信号を出せるようにしている.これをCommon Mode Servoに繋ぐため,発振はおそらく起こらない.

対策

  • I/Q demodulatorの信号をdifferentialにしてBNC(or 2pin LEMO)でサーボに入れるようにする?

klog

  • klog 29446: Gr PDH Yでの28MHzピークの発見

  • klog 29456: IN1に繋がるケーブルの交換でピークが消えた(ように見えた)

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.Gr PDH Xで28MHz, Gr PDH Yで19MHzの発振

  • klog 29568: ループアンテナでサーボの出力周辺を測定.Gr PDH X/Yのどちらも50MHzの信号がある

PLL X/Y

現状

  • どちらもALS1 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はPhase Frequency Discriminatorであり,Front panelのOutをサーボに入力している.富山大で作った回路なので回路図とPCBしかなく,シャーシの中身の構成は不明.
  • 出力の端子がSMAなので,おそらくsingle endだと思われる.そうするとPLL X/Yのサーボは発振する.→ PLL Xは28MHzで発振,PLL Yは見当たらない?
  • Phase Frequency DiscriminatorにはRear panelからDsub9ピンが出ている.この出力はAA chassisに繋がってデジタルに流れているので,おそらくdifferentialの信号を出していると思われる.
  • PFD → PLL Xは1mのBNC,PFD → PLL Yは2m以上のBNC.

LIGOの状態

  • LIGOではFrequency DiscriminatorはI/Q demodulatorほぼ同じ構成をしている.メインのfrequency discriminator boardの後にBreakout boardがあり,そこでTNC出力でdifferential信号を出せるようにしている.これをCommon Mode Servoに繋ぐため,発振はおそらく起こらない.

対策

  • Phase Frequency Discriminatorの信号をdifferentialにしてBNC(or 2pin LEMO)でサーボに入れるようにする?

klog

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHz16MHzのピークを確認.

  • klog 29568: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.PLLXで28MHzのピークを確認.

Summing node

現状

  • ALS1 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はLSC0 rackのGr PDH X/Yであり,各サーボのSLOW OUTがsingle endでSumming nodeの入力にBNCで入っている.
  • 28MHzの発振は確認できず,50MHzの大きなピークを発見.

LIGOの状態

  • LIGOではALS CARMは電気ではなく光で和をとっているの状況が大きく異なる.
  • LIGOにも「Summing Node」という名前の回路があり,CARMのCommon Mode Servoの直前に入っているが,中身は一般のCommon Mode Servoとは異なりBoosterなどを外した構成になっている.
  • LIGOのSumming Nodeは2chある.入力はI/Q demodulatorから2つ,Frequency Discriminatorから1つ,デジタルのDACから1つの計4つで,全てdifferential endになっている.

対策

  • TBD

klog

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHz16MHzのピークを確認.

  • klog 29568: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHzのピークはなく,50MHzに大きなピークがある.

CARM

現状

  • ALS1 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はI/Q demodulator(IN1)とSumming node(IN2)であり,どちらもsingle endなので発振する.
  • 28MHzに発振を確認

LIGOの状態

  • LIGOではCARMサーボの直前はSumming Nodeの各chから来ている.
  • Summing nodeのSUM出力は通常のCommon Mode Servoと同じくsingle endになっている.なので,CARMサーボの入力はどちらもsingle endである.

対策

  • TBD

klog

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHz16MHzのピークを確認.

  • klog 29568: サーボの電源を1つずつ入れてループアンテナでサーボ周辺を測定.28MHzのピークを確認.

FIB X/Y

現状

  • ALS0 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はPSL room内のThorlabsのPDで,single endの信号がBNC出力になっている.
  • 回路は発振していない.考えられる理由としては,ThorlabsのPDはAC電源で動くためGNDレベルはACラインからきており,入力信号のGNDがサーボのGND(±18Vの中点)とずれていることがあげられる.今後調査するべき.した

  • IN1/IN2のGNDと回路のGNDが絶縁されている(>1MΩ)ので発振しない.

LIGOの状態

  • LIGOにはない?

対策

  • 発振していないなら特に必要ない?

klog

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.目立ったピークは出なかった.

  • klog 29568: IN1/IN2とOUT2のGND間の抵抗を測定.1MΩ以上の抵抗値なので絶縁されていることを確認.

IMC

現状

  • IOO0 rackにインストールされている.
  • 直前の回路はIMC REFLの復調信号(IN1)とCARMのFast OUT(IN2).復調はMini CircuitsのpassiveなRF mixer (とLowpass FIlter)でやっている.どちらもsingle end.
  • 回路は発振していないように見える.どちらもsingle endの信号で状況としては発振してもおかしくない.今後調査するべき.

LIGOの状態

  • LiGOのIMCサーボの入力はI/Q demodulator(IN1)とCARMのFast OUT(IN2).IN1の方はdifferentialになっているがIN2の方はsingle endのはず.

対策

  • 発振していないなら特に必要ない?

klog

  • klog 29503: ループアンテナでサーボ周辺を測定.目立ったピークは出なかった.

LIGOでの接続

Common Mode Servoの基本的な構造はKAGRAと変わらない(D0901781).ただし,KAGRAと違いほとんどの入力信号はdifferentialになっている(一部例外あり).

Gr PDH X/Y, PLL X/Y

LIGOのエンドステーションの配線はD1100670が詳しい. End Station ISC Electronics Wiring

"ALS Cavity Locking"がKAGRAでいうところのGr PDHに対応し,"ALS Laser Locking"がPLLに対応する.Gr PDHの直前の回路はI/Q demodulator,PLLの直前の回路はPhase/Frequency discriminatorになっている.

I/Q demod, PFD

LIGOのI/Q demodulatorはKAGRAのものよりも基板が追加で入っている(D1000181).I/Q demodulator本体(D0902745)はLIGOとKAGRAで共通だが,LIGOではI/Q demodulatorのdifferential output (I/Q)をDemodulator Breakout (D1000184)に接続し,フロントパネルからTNCでdifferentialな信号が出せるようになっている.

LIGOのPhase/Frequency discriminator(D1002476)はI/Q demodulatorとほとんど構造が同じで,メインの基板がI/Q demodulatorからPhase Frequency Discriminator(D1002471)に置き換わっているだけである.従って,フロントパネルからTNCでdifferentialな信号が出せるようになっている.

Summing node, CARM, IMC

センターエリアの配線はD1200666, D1900511に詳しい.

回路室での再現試験

発振の再現

Common Mode Servo (Gr PDH ver.3、坑内から持ち帰った筐体)の上方5 cmぐらいの位置にDual I&Q Demodulatorを設置、2台とも同一のDC電源から電源供給(ケーブル長~1 m)、demodulatorのI-MonとservoのIN1を1 mのBNCケーブル(+ BNC-TNCアダプタ)でつないで電源を入れ、Moku:Labにつないだ霜出さん作製のループアンテナをservoのinput付近やBNCケーブルに当てたたところ、~30 MHzぐらいの発振が見えた。

  • 電源ケーブルを動かすと発振周波数や振幅が変わる。
  • I&Q Demodulatorの電源を切っても発振は止まらない。(電源を切っても電源GNDはつながったまま。)

    • ServoのIN1につないだBNCケーブルの反対側端子のshellがdemodulatorのBNC端子のshellに触れるだけで発振は起きる。
      • Servo自身のchassis(10 Ωと100 nFを介して基板GNDに接続)やミミに接触しても発振。

  • 50 cmのケーブルにすると発振は見えない。

  • ケーブル長を1.5 mにする(1 mと50 cmを中継アダプタで接続する)と周波数は下がる。

  • I&Q Demodulatorの電源ケーブルを長くする(数mの電源ケーブルを継ぎ足す)と発振は見えなくなる。

  • I&Q Demodulatorの代わりに別のCommon Mode Servo(MZI用、Gain Stageのoffset調整試験のため改造済)を設置し、Out2/Slow/FastのTNC端子とIN1/2を接続しても発振状況は変わらず。

同軸ケーブルでのDifferential信号入力

上記のセットアップでI&Q Demodulatorリアパネルの"I & Q Outputs Ch 1&2"のDsub 9ピンコネクタにDsubブレイクアウトコネクタを付けて1-6ピンをBNCブレイクアウトコネクタの芯線とシールドにそれぞれ接続、1 m BNCケーブルでCommon Mode ServoのIN1に接続してみたが、同様に発振した。

  • ブレイクアウトコネクタの代わりにADC用BNC-Dsub Converterを用いて、

    • demodulator [I&Q Outputs Ch1&2] <= Dsub 9-pin cable (50 cm/1 m) => [to ADC Ch1-4] Dsub-BNC Converter [Single Inputs Ch1] <= BNC cable (1 m) => [IN1] servo

  • のようにつないだが、同様に発振した。
    • Dsub 9-pin cableを10 mの物に取り換えると発振は見えなくなった。

シールド付多芯ケーブルでの接続

2芯ケーブルは無かったが3芯のシールド付ケーブルがあったので、上記のDsubブレイクアウトコネクタを使ってI&Q Demodulatorの"I&Q Outputs Ch1&2"の1-6ピンを2芯に、残りの1芯とシールドをGNDに接続し、反対側はBNCブレイクアウトコネクタを用いてCommon Mode ServoのIN1の芯線とshellにdemodulatorの1-6ピン、残りの線とシールドはOUT2 TNC端子のshell (servoのGND)に接続したところ、発振は見えなかった。

  • 同様にBNCブレイクアウトコネクタで2台のCommon Mode ServoのSlow出力のTNC端子の芯線とshellを3芯のうち2本に、残りをSlow出力のlemo端子のshell (基板GNDと10 Ω/100 nFで接続)につなぎ、反対側をもう1台のservoのIN2入力のTNC端子とlemo端子に同様に接続したところ、発振は見えなかった。

フェライトコア(クランプフィルター)の取付

ケーブルに高周波のノイズが乗っているなら、と以下3種類のフェライトコアのクランプフィルターを購入してBNCケーブルに付けてみた。

BNCケーブル(1 m)にフェライトコアを装着することで30 MHz付近の発振は見られなくなった。

参考

Meeting

TBU

Reference

LIGO Circuits

LIGO Wiring

KAGRA/Subgroups/MIF/AEL/CMSB/Oscillation (last edited 2024-05-31 22:59:32 by KentaroKomori)