Absorption

サファイアの熱吸収は20ppm/cmと見積もられている。鏡の厚さが15cm

ならば熱吸収は300ppmである。75W入射でPRG=11とすると、ITMの基材

を通過する光量は約400W、吸収は0.12Wということになる。いまのところ

想定されている冷却能力は1枚の鏡あたり1Wであり、ファクター8の安全

係数が見込まれていることになる。

これとは別にコーティングの熱吸収がある。現在は0.1ppmと見積もられて

いるが、これはかなり楽観的である。AdLIGOでは0.5ppmだが、それすら

楽観的であると山本さんは言っている。コーティングに照射される光量は

およそ400kWであり、0.1ppmが吸収されると0.04Wだが、もし0.5ppm

だとすると0.2Wということになり、バルクでの熱吸収を上回る。

バルクでの熱吸収を解決するためにRSEという干渉計方式を採用している

わけだが、すでにフィネスが高すぎる可能性があるということである。

低温でのコーティングの熱吸収がどれくらいなのか、正しい見積もりが

必要である。

LCGT/subgroup/ifo/ISC/ClassicalNoise/issue4 (last edited 2010-06-03 14:40:00 by YoichiAso)